
春になると、あの独特な香りがふわっと漂ってくる。
そう、農薬とか除草剤とか、畑にまかれるアレです。
正直、うれしい香りじゃない。
「うわー、来たねー!」って、ちょっと顔をしかめたくなる人もいると思う。
私も、実はちょっとそう。
でもね、それと同時に私は毎年この時期、こんなふうにも思うのです。
誰もが“食べられる”世界の裏に
もし農薬や除草剤がなかったら、きっと世界は今ほどたくさんの人に食べ物を届けられていない。
作物を守る手段がなければ、収穫はもっと不安定だし、価格も上がるし、輸送だって難しい。
私は寒い土地に住んでいるから、もしそれらがなければ
南の国の果物や野菜、私の人生に一度も出会わなかったかもしれない。
栄養剤や肥料がなければ、あんなにおいしいトマトを毎日食べられてないかもしれないし、
ごはんの時間に子どもたちと笑い合うことも、少しだけ違っていたかもしれない。
「悪」って、そんなに単純じゃない
もちろん、ないに越したことはないかもしれない。
農薬や除草剤が自然に与える負荷もあるし、全部を手放せたら、それは素晴らしい未来かもしれない。
でも、それを一方的に「悪」と決めつけてしまうのは、ちょっと乱暴だと思うんです。
それを開発した人たちがいる。
研究して、安全な使い方を探し続けている人がいる。
農家さんが、朝早くから丁寧に野菜を育ててくれている。
その人たちの努力と知恵のうえに、
私たちの今日の「いただきます」がある。
感謝は、どこにでも咲く
「農薬ばんざい!」なんて言わないよ。
「大好き!ゴクゴク飲んじゃう!」…なんてことももちろん言わない(笑)
でも、それをつくった人。
それを使って、一生懸命畑を守っている人。
そのおかげで、今日も私たちが食べられていること。
そういうふうに、想いを馳せること。
それが、豊かさなんじゃないかなって思うんです。
この春もまた、
ごはんの向こう側にあるたくさんの人の顔と知恵に、ありがとうを。
美味しいです!
ごちそうさま🍚🤤